貴婦人のように au Maroc

spoutnik2006-05-22

薄暗い路地。

一歩一歩進むごとにいろんなニオイがする、生活感の溢れるモロッコの路地に置かれた、椅子。

この間、「モロッコに飼い猫は少ないんじゃぁないか?」と書いたのだけど、実のところはよく分からない。路で暮らす猫さんにその辺の住民がエサをやったり、猫自身でゴミをあさったりしているパターンが多いんじゃないかなと、感じただけである。だから「飼い猫」と「路上猫」の境目も、あいまいなんじゃないかなぁ、と。
小さくて入り組んだ路地を歩いていると、それこそ「家」と「路」の区別も曖昧な気がしてくる。そこらへんの住民は、そこらへんを中心に生活をしているんだけど、日本やフランスみたいに「ここからここはうちの敷地」っていうような明確な区切りが薄い。
この椅子だって、いきなり路地に置いてあるけど、もしかしたら誰かの所有物かも知れないし、ゴミかも知れない、みんなの物かも知れない。

そして、そこがこの猫さんの居場所。
この椅子を選ぶだけあって、なかなか気品のある猫さんである。