しゃかりき

spoutnik2005-02-12

そういえば、フランス人てあんまり走らない。クラスにニューヨークから来ているアメリカ人の子がいるのだけど、彼女に「ニューヨークでは人がみんな早足で歩くというイメージがあるけど、ほんと?」と聞いてみたところ、「そう!歩くの早いわょ〜!フランスに来て、フランス人が街を歩く早さが遅くてびっくりしたもん。遅いどころか、いきなり立ち止まったりして、すごく歩きにくい!」と言っていた。毎朝駅まで歩いている時なんかは、けっこうみんな早足で、足の長さが違うから余計に早く感じるんだけど、ただ街を散歩する時はたしかにのんびり歩いている。急に立ち止まるし、道いっぱいに広がって歩いたりする。よぼよぼのおばあさんたちがゆらゆらしながら道いっぱいになって歩いていると、必ずその後ろに渋滞が出来る。で、走らない。たまに学校に遅れそうになり、駅まで走ることがあるのだけれど、いままで同じくらい慌てて走っている人を見たことがない。きっと、「仕事や学校に走ってまで間に合わなくったって、まぁいいじゃん、そんなことに必死にならなくったって」という感じなのかしら。私などは足が短いから、早足ったって知れてるし、急いでいるとつい走ってしまうのだけど。

ところで、そんなフランス人がけっこうしゃかりきになって急ぐシーンを見れる場所がある。それは、スーパーのレジ。こっちのスーパーはレジのところがベルトコンベアーのようになっていて、レジのお姉さんがピッピッとバーコードを読んではどんどん横に貯めていく(そこがやや下向き傾斜になっている)。で、お客がそこに備えてあるレジ袋に各自品物を詰めていくのだけど、レジのお姉さんが必ずしも詰める順番にモノを流してくれるわけでもないし、流してくるスピードもものすごく速い。半ば詰め終わったかなくらいの時点で「はぃ、○○ユーロです」と言われるので、そこで一時袋詰めを中断してお会計、すぐにお釣りが戻ってきて、またすぐに次の人の品物が流れてくる。混ざってはいけないし、次の人だって「よぉいどん」状態で詰めないとどんどん後がつっかえるわけだから、早く場所を空けてあげなくてはならない。そんなこんなで、スーパーのレジの所ではみんなけっこう真剣に機敏な動きをしている。それまで何分かレジの前で行列を作って並んでいたわけで、その緩急の差がまた面白い。そんな中でも、マイペースに全部袋に詰め終わるまで会計をしない人とかがいて、うまい具合に混乱が避けられている。(そのぶん行列は増えるが)。「なんでお客がこんなに必死に働いているのだろう?」と、そんなしゃかりきなフランス人達を横目で見つつスーパーを後にするのだった。