伝説は続く

spoutnik2005-04-11

うちの子ゆめじは、八ヶ岳のあたりにある某大学の馬術部の馬小屋に産み捨てられた、みなしごハッチ。生後5ヶ月の時に里親になって以来、アパート暮らしなため室内飼いで、すっかり内弁慶と化している。留学することはもとから決めていたので、里親になったときから、一緒に渡仏するための準備をしてきたわけなのだけれど、彼には大きな弱点がある。コトの始まりは日本にいた時。近所に猫にリードを付けて、まるで躾の整った犬のように散歩しているおじいさんがいて、その楽しげな姿に憧れて、「ゆめじもちょっと散歩に連れ出してみようか」ということになった。リードを付けて、だっこしたままいざ部屋を出て、50mほどいったあたり、あれ?お腹がなんだか暖かい。。。とおもったら、お漏らしをしてしまった!箱入り息子の彼には、外の世界はあまりに衝撃が大きすぎたのだ。「こんなに臆病で、飛行機になんか乗れるんだろうか」と、ものすごく不安になった。
よく「獣医さんで暴れて大変」な猫の話は聞くけれど、ゆめじの場合、もう恐怖のあまり肉球に汗をびっしょりかき、かちかちに固まっている。マイクロチップを埋めるときなど、かなり太い針を差し込まれたにもかかわらず、もうすでに緊張状態がピークだったのか、全くの無反応だった。
そして、いよいよフランスへ。成田へのバス、空港、パリからの移動、終始かちかちに固まって水も喉に通らなかった彼は、あと一歩で宿、というところでついに失禁。フランスについてまずされた事は、身体を洗われた事だった。。。
そして先日、アパートの大家が訪ねてくる、ということで、ひとまずゆめじを連れて外に退避したときの事。私たちが出かける時には、外に出たがるゆめじだが、やはり外の世界は怖かったらしい。またもや。。。やってしまった。
今住んでいるアパートは、昔ながらの建物が屋根続きに連なっているような地区で、うちのベランダから、となりの建物へ、またその向こうへ、と屋根伝いにどんどん行ける。実際、屋根の上をテリトリーとしている野良猫さん達もいっぱいいる。住み始めた当初は、「ゆめじもどんどん出かけちゃって、帰って来れなくなっちゃうんじゃ」と心配したものだけれど、ゆめじは出てもせいぜい隣の屋根まで。それでも大きな勇気を要するのだろう、帰ってくるときはいつも腰が引けている。
そんな小心ゆめじ、「外出のたびにお漏らし」の汚名を返上できる日が来るかなぁ〜♪