国民的心配事

spoutnik2005-04-25

2週間のバカンスも開けて、また学校が始まった。
いつもなら「みんなバカンスの間、何をしたかな〜?」という質問がくるのだけど、今回は指向を変えてきた。「皆さん、バカンス中にも何かニュースを見ましたか〜?」。
ニュース、というと、一応毎日yahooで見てはいるものの、ついつい日本のニュースに目がいってしまう。私の頭にまず浮かんだのが「中国での反日デモ」。それから、今朝見たばかりで記憶に新しく、衝撃だった「電車の脱線事故」。だけど、フランスのニュースっていうと。。。
「パップ(ローマ法王)?」「そう、まずそれ!まるでフランス人全員がカトリックの信者になったかのような、この騒ぎよう!まったくどうかしてる!」と先生ご立腹の様子。そうそう、うちのクラスの担任は、少し変わり者で、かなり主張の強い人物である。それから、新しいパップについての批評が続き、結局、彼は保守的すぎるし、なにしろ高齢。今、多くの人が期待している事は、「彼がまた天に召されて、次にもう少し寛大で、ラテン・アメリカ系のパップが就任する事」なのだ、という結論に落ち着いた。何しろ今回決まったドイツ人パップは、考えが古すぎるし、ホモセクシャルや中絶問題など、世界的にも問題になっている多くの事柄に対して保守的すぎるのだそうだ。この意見には、恐らくカトリック信者と思われる他国の生徒達も多く賛同していた。ふむふむ。
そして今、パップと同じくらい、いや、もっと、フランスで注目を集めている人物がいる。それはマルセイユの、そしてサッカーフランス代表ゴールキーパーである、バルテス選手。彼が試合中に審判にツバを吐いた事で、その処分が国民中の注目を浴びている。というのも、彼はフランス代表にとって欠かせないキーパーで、もし今彼が何ヶ月も出場停止になってしまったら、来年に控えたワールドカップがあやうくなってくるからだ。だからフランス人達は「いや、ほんとに、審判にツバを吐くなんて、とんでもないょ、いけないことだょ、バルテスは悪い事をした、でも、でもひょってして、処分を保留にする何か法的な抜け道はないもんだろうか?」とやきもきしている。実際の所、次期パップの事より断然切実だったりする。しかも痛いことに、規則上「審判にツバを吐いた場合の処分」という項目があるらしい。前回のワールドカップではジダンが不調で不本意な結果に終わってしまったフランスチームの大事なゴールキーパーをどうにか出場させるべく、至る所に「バルテスの処分についてどう思いますか」アンケートがあったりして、まだしばらくは国民の注目を集めそうな勢いである。サッカーにはかなり疎い私だけれど、あまりにも先生が熱く語ってくれたので、なんだか成り行きが気になっている。
ちなみに写真は、注文された「サッカーグラウンドケーキ」。ほんとに好きなんだなぁ。。。