部屋探し〜途中経過〜

spoutnik2005-05-20

今日でディプロムのためのテストも終わり、いよいよ学校が終わった。通っているときは時にはつらく、しばらく使わずにいた頭をフル稼働したせいで知恵熱や頭痛にも悩まされたけれど、終わってみるとなんともあっけなかったように思う。ここに来て初めて習う文法や言い回しもたくさんあったし、私立校ではあまり見かけない発声法や、写真などの選択授業も興味深く、かなり充実した8ヶ月だったと思う。その締めくくりであるこのテストには是非とも全力で。。。なんて思っていたのだけれど、実際、部屋探しが難航していてそれどころではなかった。
そもそも保証人がいないために信用が得られず、1年だの3年だのの前払いを要求されたり、部屋を見に行っても門前払いを食らう事にほとほと嫌気がさしたわたしたちは、まず「保証人的なもの」を探してみる事にした。いろんな人に相談をしているうちに「フランス人学生でも両親に財力がなかったり、保証人を拒否されたりした学生のためにも保証人を肩代わりしてくれる機関があるらしい」という情報を得たので、それを追跡調査。
そこで辿り着いたのが「loca-pass」という機関。確かに「保証人のいない学生のために家賃3ヶ月分の保証金で保証人の役割をしてくれる機関」のようだ。けれど、コレを得るためにはいくつか条件がある。例えば「奨学金を貰っている学生」。ある一定額が国から支給されているからある程度の金銭能力があるってことで。そもそもこのloca-passは家族に問題があったり財力がなかったりする学生向けなのだから、コレに申請する学生=奨学生というのが暗黙の了解のようだ。けれど私たち外国人学生はフランスから奨学金をもらう権利がない。ので、そういう学生の条件は「バイトをしている事」。バイト。。。2ヶ月前に始めたばかりでいつまでとも分からない。。。けどこれで申請できるなら、と少し安心してみる。
しかし!この「保証人肩代わり」は、まず借りたいアパートを探して大家と契約を交わす事が前提条件。このloca-passがどの程度有効なのかも分からないまま、ともかく部屋探しを再開したのが約1週間前。
この1週間にかけた電話数知れず(これだって、1通話あたり2ユーロとか取られる、いわゆるダイヤルQ2)、見に行った部屋が5つ、そのうち「loca-passでいけるかも」と前向きな返答をくれた所は1件のみであった。その1件を未だ躊躇しているのは、そこを借りる条件が「今すぐ借りる事」。ってことは1ヶ月半分の家賃を2重に払わなくてはならないということ。。。悩む。。。ということで今の所まだ決めてないけれど、ここが唯一前向きな優しい対応だったので、明後日までに予定のある2件を見て交渉して、loca-passが効かないと言われたら、この不動産屋に出向いてみるつもり。まぁ、そこから支払いの話になってloca-passのことでひと悶着あるのは、必須と思われるけれど。
で、素朴な疑問。どうして「保証人のいない学生のための保証人機関」が効かないのか。それは、そこの保証期間が最大18ヶ月なのに対して、アパートの契約は原則として3年だから。たとえ実際に住むのが1年だろうが2年だろうが、契約を3年でやらなくてはならず、そのために3年の保証がいる、と言うのだ。
最近の例で言うと、「契約は3年、loca-passは18ヶ月なわけだから、残りの18ヶ月分の家賃を前払いする、というのでいいかどうか大家に聞いてみる(by不動産)」。結局ここから連絡がないのでダメだったんだろう。。。っていうか18ヶ月前払い。。。しかも3年も住まないかも知れないのに。。。ちなみにこの場合に契約時かかるお金を計算してみると、(家賃550ユーロの場合)
*家賃18ヶ月分(9900ユーロ)
*保証金2ヶ月分(1100ユーロ)
*仲介手数料(約600ユーロ)
*loca-passのための保証金3ヶ月分(1650ユーロ)
合計13800ユーロ(約200万円)
である。2人で割ってひとり100万円。しがない学生である私たちにこんな額を1度に用意しろだなんて、よくもまぁ言えるものだと思わずにはいられないが、こうでもしないと信用してもらえないのが、悲しいかな、現実である。
とはいえ、これも大家によりけり、交渉によりけり、ということで今日もアノンス(賃貸情報の3行広告)を探してネット砂漠を彷徨うばかりである。
ちなみに本日、loca-passの事務所に出向いて聞いてみた。
Q:「18ヶ月の保証だと受け入れてくれない大家ばかりなんですけど、そういう時はどうしたらいいんですか?」
A:「それは大家次第です。大家がダメというならダメでしょう、他に方法はありません。」
。。。あぁ、なんて親切な返答。あっさりすぎてリアクションにも困る。
この状況、どのフランス人に話しても、「そんなバカな!あり得ない!極悪非道!」といったリアクションが帰って来るけれど、いいえ、これが、現実なのです。。。