部屋探し〜最終章?!その3〜

spoutnik2005-06-01

<前回までのあらすじ>
〜書類は揃えたものの、やや不安の残るloca-passの申請。ともかく1週間待つしかないと腹をくくり、ともかく書類の提出が終わったことを郁恵さん(大家の奥さん)に電話をする。すると彼女の口から思いもよらない言葉が!〜

「今日ね、旦那とも話してみたんだけどね。。。もしかね、もしも、万が一、loca-passが降りないっていう場合は、可能性としてはそれってあなたがバイトを始めて3ヶ月未満だから、以外に考えられないのよねっ!だから、その場合はまた3ヶ月経過してから申し込み直すということにして、それまではloca-passなしでもいいじゃないかって」
「え?!どういうことですか?借りてもいいっていうことですか?!えぇと。。。その場合はじゃあ、3ヶ月分前払いとか。。。」
「うぅん、いいのよ、そんな。私たちもあなた達くらいの学生の娘がいるからね、そんなキツいこと、言えないわよ。普通に、保証金と、月々の家賃を払ってもらえばいいから、で、またloca-passの申請をし直しましょぅ?どうかしら、これで、いいかしら?もうね、実は2件ほどアパート見たいっていう電話も来てるけど、断わっちゃってるし」
「え、そんな、いいんですか?!すごく嬉しい!ありがとう!」
「まぁね、一応loca-passの結果が出るのも1週間後だし、一応結果を待つっていうことで、1週間後にまた待ち合わせをして、鍵の受け渡しとか、Etat des lieux(アパートの状態確認)とか、支払いとかを、しましょうよ。」
「えぇ、それはもう!じゃぁ、あの、1週間後に!」
「じゃぁ、またその前日にでも連絡、取り合いましょうね♪」
loca-passが取れるまで粘ってみよう、それまでの間も貸してあげるから。。。そんなおおらかで臨機応変な対応を大家さんというカテゴリーに属する人たちから受けたことがなかった、免疫不足のわたしは、「どこかになにか、落とし穴的な条件とか、うさんくさい所はなかったか」などと会話を思い起こしてみても、彼女の言ったことには全く悪意も敵意も蔑みも偏見もなく、本当に好意で言ってくれているとしか思えなかった。
「娘のような」と言っている実際の娘とは間違いなく10歳くらいの違いがある(下手したら大家の方が年齢近いんじゃない、くらい)とはいえ、この不安定な学生稼業にひどく心入れをしてくれたみたい。
あとは、親切心から「loca-passの結果待ち」をしているうちに、6月に入ってしまうと、もう6月からの借り手を見つけられず、1ヶ月分の家賃収入がなくなる、という心配もあったのだろうけど。それにしても、こんなに誰からも信用されなかった私たちを信用してくれて。。。嬉しい。
「loca-passがダメだった時」の事を思うと、また面倒が起こりそうな気持ちは拭えなかったけれど、そう言ってくれる人がいるっていうことに、ひどく励まされた。
それから毎日、loca-passからダメ出し通知が来てやしないかと、ハラハラしながら郵便受けを覗くこと5日。
郁恵さんから電話がかかって来た。約束の1週間、の、前日なので、てっきり「待ち合わせについて」だと思ったら、実はそれだけじゃなかった。
「こんにちは〜♪今日はね、いいお知らせがあるのよ!」
「え!なんですか?!」
「今日、loca-passから、保証書が、届いたのょ〜!」
「やったぁ〜!ほんとですか!?やったぁ〜!もう毎日心配で、郵便受けを覗いてましたょ〜!」
「ねぇ〜!これでもう、なんの心配も、問題もなく、契約が結べるわね!」
「それにしても、1週間よりも早く来て、びっくりです〜」
「ほんとよね〜、受付の電話の対応は、ものすごぉく感じ悪いくせに、やるわよね〜!」
しまいには、loca-passの対応に憤りを感じた気持ちを共有する同志のようになってしまっている。「貸したいけど・借りたいけど。。。loca-passが!」という部分で通じる部分があったからかな。郁恵さんはもう、loca-passについてはかなり詳しく調べていたし、このへんの探究心には、頭が下がる思いである。
「こんなに親身になって、信頼してくれている人たちを、裏切るようなことは、絶対にするまい」と心に誓う。
ということで、ついに鍵の引き渡しの日を迎えることになった。
当日、娘(雰囲気的に中島美嘉)をお供に現れた、郁恵さんとの楽しいEtat des lieuxの様子は、完結編にて。
このカルティエ・パニエ(旧市街)ともお別れかぁ。。。
それにしても、部屋探しでここまで一喜一憂は、日本にいたらできない経験かも。。。いろいろと勉強になったことは、えぇ、間違いない。