部屋探し〜最終章?!完結編〜

spoutnik2005-06-03

なんとか無事にloca-passも降りたらしく、(正直、このシステムがよく分かっていないけれど、とりあえず大家は安心、こちらは別にloca-pass自体には何も払わなくていいらしい)晴れて「正式契約」の日を迎えた。
新居となるアパートに約束通り行くと、大家の妻(郁恵さん)とその娘(中島美嘉)が出迎えてくれた。娘とこの後散歩するのだそうだ。仲いいなぁ。娘さんは大学生(彼女の存在のお陰で、大家の同情をひけたのだから、言ってみればかなりのキーパーソンである)で、写真をやっているとか。よく喋る郁恵さんとは対照的で、クールにソファーに座って腕組みをし、静かに見守っている(たまに郁恵さんが変なことを言うと、ツッコミを入れる)。
さて、フランスのアパートではお決まりの「Etat des lieux」が始まった。これは、アパートの状態を大家(もしくは不動産)と一緒に確認して、もともと大家が書類に書いて用意した状態と合っているかを確認し、また退出の時に同じ紙で確認をし合って、痛んでいる所や足りない物を、保証金から差し引くというものだ。
郁恵さん(以後、郁):えぇっと、じゃぁ、まずは寝室から。。。ドアは、2個、状態は、まぁまぁ、あ、まぁまぁっていうのは、別に新品じゃないし、ってことね、で、動きは良好、と。ね、動くわね、で、次は窓、2個、動きはよし。雨戸は、あ、やだ雨戸も2個よねぇ、1個って書いてあるわ。2個、と。」
私:「動きは、よし」
郁:「よし、と。で、電灯が2個、つくわね、あ?あれ?つかない。。。どうしたのかしら?あっ!やだもしかして電気が来てないのかしら、おっかしいわねぇ、この間来たときは、ついてたわよねぇ?!」
私:「ついてましたねぇ」
郁:「あ!もしかして今日私がEDF(電気)に電話して、借りる人が変わるって言ったから、切っちゃったのかしら!?やだぁ、ちょっと、ブレーカーあげてみる?あらもぉどれかしら、こういうのいつもお父さんがやるからね〜」
娘:「お父さんに電話してきいたら?(クール)」
郁:「ちょっとあんた、背が高いんだからここ届く?ブレーカー、上げてみてよ、ん〜、やっぱりつかない。。。」
私:「ついてませんねぇ」
郁:「やだぁ、これじゃぁEtat des lieuxで電気って書いてあるのは、どれも確認できないわねぇ〜。まぁ、とりあえず、この間見た時にはちゃんとついていたからね、信じて!しかも、省エネ電球、付けてあるから!もし住み始めてからつかない所があったら、言ってね!」
私:「わかりましたから、もう、椅子から降りて来て下さい。。。」
結局、郁恵さんがEDFに確認の電話をしたら、やっぱり電気は切られているらしく、また入居日が決まってから申し込みをするらしい。
郁:「loca-passと違って、感じのいい男の人が対応してくれるから、大丈夫よ、引っ越しの日が決まったら電話してみてね、loca-passとは、違うから、面倒な手続きもいらないし!さぁ、じゃぁ次、居間ね!えぇと、壁は、塗り替えたから、良好、壁に穴もなし、と」
私:「たとえば、画鋲とかは、いいんですか?」
郁:「もちろん、いいわょ〜!飾りのない壁なんて、淋しいじゃない!あとでおっきな穴になるようなのはダメだけど、画鋲とか、釘とかなら、いいわょ、全然!」
こんな感じで、始終陽気な雰囲気で、Etat des lieux終了。鍵ももらって、いざそれが使えるかどうかを確かめながらアパートを出る。
郁:「このね、アパートの入り口の鍵はね、コツがいるらしいのよ。旦那はすっと行くんだけどね、あたしはうまく出来ないの。確かね、こうやって、鍵をさしたら、ドアの取っ手を引いて、鍵を回して、押す!あれっ?!だめだわ。引いて、回して、押す!あぁ?!もう〜、イライラする〜!引いて、回して、引いて、押して・・・あ!ほら!・・・ってあたし今、どうやってたかしら、えぇと。。。引いて、回して、押す、ほら!・・・あれ?ダメね〜」
娘:「・・・(笑)」
なんだか最後まで暴走気味の郁恵さんと、クールな娘であった。
別れ際にも、地下駐車場へ行くはずが、メトロに入りそうになったり、もはや郁恵さん通り越して玉緒さんくらいいってそうな勢いである。
ともあれ、これでもう鍵ももらい、6月分の家賃も保証金も払った。晴れて、アパート決定〜♪あとは、悪夢の引っ越し。暑いから、日が暮れてからにするか。。。あっ!電気来てないのか。。。