パニエ祭り

spoutnik2005-06-28

まずは、どうにかこうにか無事に引っ越しが終了したことを、報告。
いろいろと相談に乗ってもらったり、励ましてくれたみなさま、ありがとうございました。

さて、新居に移ってはや1週間。辛かった引っ越し作業からも解放された。
1週間前まで住んでいた古巣は、パニエという、マルセイユの旧市街地で、壁で区切られたようになっている地区の中を、石段や路地が迷路のように入り組んでいて、なんともわくわくして趣のある地区だった。
パニエというのはカゴという意味だけれど、小道が多くて死角が多いからか昔は移民がたくさん移り住んだり、マフィアの巣のようになって栄えていたことから、「いろんな物がごっちゃに入っているカゴ」という意味らしい。「カゴの目のように路地が入り組んでいるから」というのは私の考えたもうひとつの由来だけど。
マルセイユ自体の治安もだんだん良くなって来ているようだけど、このパニエも、昔は本当に危険な地区で、住むなんてかなりの覚悟がいるような場所だったらしい(連なった屋根伝いにどこでも行けちゃえる所とか、最初住んだ当初は心配だった。住んでいる最中も「パニエで手配中のマフィアの身柄を確保」なんて新聞記事を見かけたり)けど、最近は「マルセイユの歴史的地区」と称して、マルセイユ1押しの観光名所となっている。
毎日観光客を乗せたプチ・トランが走り、アーティストが画廊を開いたり、工芸品のお店を構えたりしているし、古くからの建物はどんどん中を改築して、新しく貸し出したりしている。
それでも、普段のパニエと言うと、薄暗い路地をのんびりおじいさんが歩き、広場では子供たちがサッカーをし、屋根の上にはたくさんの猫が棲息する、混沌とはしているが穏やかなカルチエだ。
そんなパニエで、年に一度の「パニエ祭り」が2日間に渡って開催された。もともとポスターなんかもそんなに派手に貼られていなかったし、街の装飾も「ちょっと旗とか」って感じだったので、こじんまりした祭りなのかしら、と思っていたら、これが大変な騒ぎだった。
マルセイユ中から人が押し掛けてきたとしか思えないくらいの混雑ぶり、路地のあちこちでライブがあり、大きなスクリーンでビデオ上映やら、学校を開放して「ペタンク大会」、こんな活気にあふれたパニエを最後に見れて、また違った一面を見れた気がした。ここの人たち、絶対この年に一度の祭りのためにエネルギーを節約してたに違いない。
あちこちに、即席のテキ屋さんが出現し、大量に買い込んで来たビールやら、手作りのサンドイッチを売っている、バーベキューマシンを持っている人は、それでウインナーを焼いて売っている。許可とか要らないのか?
あちこちで流れる音楽に、身体をゆらしながら、のんびり酒をのむ住人たち、なかなかいい感じであった。
ジャズやらボサノバやら、アコーディオンやら、いろんなコンサートも企画されていて、2日間、夜中の2時頃までパニエ大盛り上がりであった。
ただ唯一残念だったことは、私の住まいのすぐ横にあるピストル広場、パニエ祭りのメイン会場のひとつだったのだけれど、若者ターゲットのコンサートをずっとやっていて、それはそれは大音量で延々とHip Hop。相当盛り上がっていたことは確かだけれど。。。寝られず。
来年も(もうパニエの住人じゃないけど)、パニエ祭り行こ〜。