パン屋と菓子屋の集会

spoutnik2005-06-29

バイト先のパトロンの招待で、パン屋・菓子屋の集会なるものに行って来た。
お食事会を兼ねた交流会のようなもので、マルセイユというか、この地方のパン屋・菓子屋と、それに関連する職業の人が集まる年に1度の行事らしい。
パン屋・菓子屋はご招待、ということで、会費もいらず、マルセイユから車で20分ほどの所にある、やや田舎に入ったあたりの隠れ家的な(でもでっかい)レストランで、昼のコース料理をゴチソウになった。
バイト先からは、売り子のおばちゃんと、パトロンの古くからの知り合いのおばあちゃん(昔はパン屋でぶいぶいいわしてたらしい)と私とパトロンの4人。
会場には100人くらいのパン屋・菓子屋関係者が来ていた。月曜日の昼間、という日程がまた、パン屋の集まり、という感じである。食事のあとにはハズレなしのくじ引き大会みたいのとかあって、(私もなんだかいろいろもらった)ほんとに「情報交換と余興の場」という感じであった。
食事が終わって、くじ引きも終わり、そろそろお開きかしら?と思ったら、とんでもない、そこから何故か「ペタンク大会」が始まった。しかも、気がつけば私も参加。みんなそれぞれどこに隠し持っていたのか、マイペタンク(2個ペタンクの玉が入るようになっている、上履き入れのような袋に入っている)を出してきて、カチカチやっている。
「え。ペタンク1回しかやった事ないし、ルールも知らない」と言ったのだけど、そんなことで勘弁してくれるほどマルセイユ人は甘くない。しかたがない、やってやろうじゃないか、とパトロン(彼もいつの間にやら参加登録を済ませていたらしい)にペタンクの玉を借りて、知らないおじさん2人(パン屋と菓子屋)と一緒に3人組になって、トーナメントに参加した。
ペタンクというのは、マルセイユが発祥の地で、マルセイユはもちろんフランス中で最も愛されているといっても過言ではないスポーツ(スポーツなのか?)で、日曜日ともなるとあちこちの公園で、主にはおじいちゃんが集まって遊んでいる。(まぁ特に性別・年齢関わらず、仲間でやってるという感じ。)
ルールは至ってシンプルで、まず足下に線を引いて、そこから小さな玉(3センチ大)を6〜9mくらい先に向かってぽろっと転がす。その玉に少しでも近づくように、持ち玉(砲丸の玉のような鉄製で、ひとり2個)を投げ転がす。チームに別れていれば、少しでも近くにいた方のチームの玉の数を数えて、13点先取(この数え方がなんだかアバウトなんだけど、燃えてくると巻き尺とかを出してきて真剣に測る)。中にはコントロールのいい人が必ずいて、せっかくいい所に止まっている玉を狙ってはじき飛ばしたり、元の小さな玉をはじいたりすることも出来る。ゴールとかコートも要らないし、坂になってても大丈夫、とりあえず上履き入れサイズのペタンク入れさえ持っていればどこでも出来るという手軽さがいい。
それにしても、レストラン前の木立に囲まれた広場で、おのおの試合を展開する100人のパン屋・菓子屋とその関係者。なんとも奇妙な光景である。
やり始めてみるとなかなか楽しいペタンクなのだったが、やはり初試合、他の2人には申し訳ないけれど、4回戦やって0勝4敗、全チームの中でも最下位だった。(それでも、初戦は13−1、2戦目は13−2、3戦目は13−3、最後は13−10と、なかなかいい感じで上昇、もう一回やれば、1勝くらい出来たかも。)
試合のあとには表彰式があり、1位から3位のチームにはメンバー3人それぞれにトロフィーと豪華商品が授与されて、えらい力の入れよう。もしかして「食事会」と思って参加したけど、これってメインは「ペタンク大会」?1位になったチームの人なんて、もはやペタンクで食べてるかってくらいの貫禄で、一瞬これが「パン屋の集まり」であることを忘れそうになった瞬間であった。
しかも、3位までで表彰終わるかと思ったら、結局最下位までちゃんと商品があって、私も粉のメーカのTシャツやら、ペタンクキーホルダーやら、いろいろと(要るものも要らないものも)貰った。しかも、パトロンのチームは8位でワインとか電気湯沸かし、マグカップセットなどを貰ったのだけど、ワイン以外の商品は全部くれた。。。やった〜、湯沸かし器♪
私は誰がどうとか、イマイチ知らないからのほほんとしてたけど、きっと仕事場で会ってたら怖〜いシェフとかいたんだろ〜な。私が受けたいと思っているお菓子のディプロムの審査官とかも、いたらしいからなぁ。。。こわ。