ただのバカなの?

spoutnik2005-06-30

先日、仕事に励んでいたら、パトロンの息子ローラン(26歳パン担当)が、鼻歌を歌いながらやってきた。「ねぇ、この曲覚えてる?」
私には全く聞き覚えのない曲だけど、周りのジャッキーや売り場のおばちゃんたちは「覚えてるょ〜!アレでしょ、アレ!」と盛り上がっている。聞けば、一昔前にテレビでやっていた動物番組(想像するに、わくわく動物ランドのようなものと思われる)の主題歌で、聞けばみんなピンと来るようなやつらしい。
その日以来、あちこちでその曲を口ずさんだり口笛吹いたり(フランス人は口笛がとってもお上手)、なんとものどかなこと、と最初は思ったけど、よく考えたら例えば日本で働いていて、職場の人たちがそろいも揃ってあちこちで「わくわく動物ランドの主題歌」(覚えてないけど)を鼻歌で歌っている状況を想像すると。。。おバカ?もしくは。。。能天気?な感じである。
そんなことを思いがちだった最近の私、今日なんと目の前でスクーターが車にはねられた。かなりの勢いで飛ばされて、スクーターの部品もばらばら散らばり、乗っていた若者も道に投げ出され、かなり派手な事故だった。これはもう重傷だ、もしや命に別状は?と思ったその時、スクーターに乗っていた若者はすごい勢いで立ち上がり、かんかんに怒って車を運転していた女性にくってかかった。たちまち道は渋滞し、野次馬もたかってきて、やんややんや、である。
事故った→痛い→バイクの修理→へこむなぁ→ていうか私、立てるの?→相手はどこに?→ともかく警察を・・・ みたいな状況の処理ではなく、
はねられた→どこ見てんだアホ!(怒り)と一瞬にして爆発、痛みもバイクも道の渋滞も、全て忘れて文句を言いに走る。
この単純さというかなんというか。。。おバカなのか?
そういえば以前パリにいたときも、車にはねられたおばあさんが(ばぁんと車に見事にはねられた)、すくっと立ち上がって「信じられない!こんなこと!よく前見て運転しなさいよ!」とぷんぷんしながら歩き去って行ったのもかなり衝撃的だった。あれは、間違いなくあとあとどっかしら痛くなるはずなのに。。。連絡先とか、聞いといた方が。。。
ともあれ、フランスでは事故を起こしたくも起こされたくもない、はっきり言ってはねられたからって文句を言ってすっきり、なんてことは絶対に私的にはありえない。かといってあてにもならないフランス警察。やはり言える限りの文句を言っておかないと損か。