歯医者

spoutnik2005-07-11

実は、かれこれ2ヶ月近く前から抱えている問題がある。それは、虫歯。コトの始めは、ある日いつものようにデンタルフロスで歯の間をこしこしやっていた時のこと。奥歯に妙にひっかかりがあって、ぐっと糸を引っ張ったら、ピンっと何かが飛んだ。えっと思ってみると、なんと歯のかけら。慌てて鏡で見てみると、奥歯の一部が欠けて、中が虫歯になっているらしい。
困った。。。何が嫌いって、歯医者さんほど苦手なものは虫くらい。腰が重い。知り合いにも歯医者のミスで訴訟をしている人などいて、なんだかフランスの歯医者、怖い。そうこうしている間にも、学校の卒業試験、引っ越し、夏のフルタイムアルバイトなどと追われまくり、徐々に欠けた部分も拡大してきた。そもそも、虫歯に保険が下りるかどうかという不安があったので(海外旅行保険ではおりないし、疾病治療の項目は削除したので使えない)、引っ越したことを伝えるために加入しているCMUという国民保険の本部に出向いたついでに、歯医者でも保険が利くか聞いてみた。ちなみにこのCMUというのは、若くない学生とか、低所得者のための健康保険で、申請(タダ)をすれば医療費が100%カバーされるという画期的な制度。で、聞いてみると「歯医者も大丈夫、保険カードを見せればOK」と言われ、ひと安心。
それからまた、どこの歯医者にしたものか、と思って迷っているうちに1ヶ月。そろそろなんとかしないと、痛くなったら厄介だ。ネットで、1区と2区を管轄している「歯医者センター」みたいなところがわりと近くにあったので、そこに電話してみると「初診だったら、朝の9時か昼の2時にいつでもいいから来て下さい」とのこと。だいたい毎日バイトだから、朝は無理、昼の2時もかなりギリギリだ。どうするか。と思っていたら、うちのすぐ近くに腕のいい歯医者さんがいるという情報を得たので、そこにも電話をしてみた。先週の金曜日。
「あの、予約を取りたいんですけど」
「あ、もう週末だから、また月曜日の朝、電話して下さいね」
あっさり、切られてしまった。別に来週の分の予約をとってくれてもいいだろうに。
仕方ないので今日(月曜)の朝を待って再度電話。
「あの、予約を取りたいんですけど」
「担当の歯科医は誰ですか」
「あの、初診なんですけど」
「どういった治療でしょう?」
「虫歯で、歯の1部が欠けてしまったんです」
「もうバカンスなので、今の所予約の取れる歯医者はいません」
「全くいないんですか?!」
「いません」
。。。なんなんだ!バカンス、バカンス、それしか頭にないのか!
今日のお休みを終わったら、あとは7月の最終週まで休みがない。どうしても今日行ってしまいたいという気持ちが、歯医者に対する苦手意識を上回った。
というわけで、前述した「歯医者センター」に行ってみた。なんだか入り口は怪しげだったけど、中はけっこう広く、7〜8人の歯医者さんがそれぞれ診察室で治療を行っているようで、まずは受付で保険カードを見せ、適当に担当歯科医にを決めて、待ち合いで待つこと10分。
私を担当してくれたのはやけに陽気で若そうな歯医者さん。「じゃっ行きますか!」なんていう勢いで、治療台に乗せられ、状態を説明して診てもらう。
「痛みます?」
「いえ」
「健康状態はいいですか?」
「はい」
「じゃっいきますよ〜」
なに?何なの?健康状態って何?麻酔打つの?なんてドキドキ(麻酔の注射が、一番苦手なのです、最近はだいぶ痛くない所も多いけど。ていうか痛くない麻酔している所にしか行かないようにしていた、日本では)緊張しまくっていたら、麻酔はせず、ウィーンッと欠けている辺りを削って、詰め物をして、終わり。手際もよく、無駄のない治療で、日本のように横で補佐する歯科衛生士さんもいないのに、ぱぱっと終わらせてくれた。「ふんふん〜♪」なんて鼻歌まじりである。
「はい、今日は中を消毒するやつを詰めときましたから、1時間は食べちゃダメですよ。で、あと今日はレントゲン撮ります、外で待って下さいね」
診察室を出るとすぐに他の担当者が迎えにきて、レントゲン室へ。流れ作業がちゃんとキレイに流れていて、テキパキしている。レントゲンを撮って外に出ると今度は担当医の受付で次回の予約。ほとんど待ち時間がない。
日本で歯医者、初診で予約なし、というとけっこう待たされる、しかもこういう大学病院的な大きな所だと相当時間がかかる、というイメージがあったのだけど、待ち時間、診察、治療と、かなりスムーズで逆にあっけにとられてしまった。しかも、CMUのお陰でタダ。嬉しい。いや、やっぱり痛くされなかったことが、何より嬉しい。怪しげな入り口にめげずに入って良かった。
ふぅ、これでやらなきゃ行けないことリストに入ってたことがひとつ、終わった。(またしばらく通うことになるとは思うけれど、最初の1歩が、肝心なのです)