フランス人は我慢強い?

spoutnik2005-07-12

昨日、歯医者に行ったときのこと。
待ち合いで座っていたら、子供(5歳と7歳くらい)が兄弟喧嘩のようなことを始めた。側には親がいる様子もなく、喧嘩と言っても小競り合い程度だったので、周りもたいして気にも留めていなかった。そこへひとつ上の階から、母親らしき中年女性と、その娘(彼らのお姉さん、推定15歳)と思われる2人が降りてきた。ひとつ上の階は小児歯科になっているようで、足の悪い娘に付き添って、母親も上に行っていたらしい。その母親、妹を泣かせている息子を見るなり、激怒していきなりひっつかまえて、平手打ちの連発、逃げる息子を追いかけて蹴りは入れるは、叩くは、待ち合いにいる人全員の注目を浴びる中すごい勢いでお仕置きが。しかも、その体罰の間に発する言葉がまた怖い。
「誰の許可があって、妹を叩くの!」(ここで妹がグズグズしながら「叩いたんじゃない、蹴った」と証言、母親の蹴りがお兄ちゃんに入る)
「おまえなんか、殺してやる!」
「こん畜生!けだもの!」
「もうプールも行かせてやらない!」(コレはちょっと可愛い)
「今度やったら、本当に、殺すからね!」
。。。何度も「殺す」と発言、聞いていてえらいびびってしまう。お兄ちゃんも叩かれて真っ赤になった顔で目には涙を溜め、それでも妹の手前泣くに泣けない、ましてやこの逆上した母親に反論なんて不可能という状態でなんとも見ていて可哀想になってしまった。
結局、言いたいことをひととおり言ったら「まったくね、コレだから子供は」なんてやや笑顔すら浮かべ、見ていた私たちその他大勢も、なんだか分からないけど安堵と同意の笑みを返したりして、その家族を見送った。
その後、それを見ていた主婦同士でまたそれをネタに話をしていた(ネタになるくらいだから、さすがにちょっと激しかったんだろう、一般的に見ても)みたいだけど、私は「フランス人に産まれなくて良かったかも」とまじにびびり、かつ「こんな痛みに日常的に耐えているフランス人の歯医者、もしかしたら麻酔なしで抜歯とかだったりして・・・」と診療前に心臓に悪い。「そういえばパトロンの息子はバイクで転んでけっこうな怪我をしていてもケロッとしていたし、ジャッキーはあり得ないくらい熱いものでも平気で素手で持つ。実際フランス人はかなり我慢強いのかも」とどんどん頭の中で「フランス人→体罰→我慢強い(痛みに対して)」の図式が確立されていく。
そうこうしていると、診察の順番が回ってきて、結果、別に痛くもされずほっとしたわけだが、こういうがむしゃらに子供を叱る母親っていうのは、日本ではもうかなりレアなのでは?「殺す」なんて日常的に言ってたら、保護センターに通告されちゃうもの。
そういえば、フランス人、「殺す」ってよく言うかも。この間もパトロンになんだか言われてぷりぷりしてた売り場のおばちゃんが私の所にやって来て、「ねぇ、パトロン、殺してもいい?!」って聞いてきた。こういうのがパトロンの前で言えるくらいだから、「殺す」の意味合いも日本とはまた違うんだろう、きっと。