パン屋についての考察

spoutnik2005-07-21

日本でパン屋っていうと、各々トレーとトングを持って好きなのを選んでレジに持って行ってお会計、というのが主だと思う。えっと、あんぱんとメロンパンと。。。あっこの焼きカレーパン美味しそう!だから、えっとあんぱんをやめて。。。なんてだらだらと選んでいられる。コレに慣れてしまうと、フランスのパン屋っていうのはなんだかやけに緊張する。
まずお店に入るとめざとく店員さんがレジに来て、「マダム?」と聞いてくる。そこで「あっバゲット2本下さい」と即答できればいいのだけど、あっえっと。。。なんて目を泳がせていると、「・・・考えてから来いよ」的な目で見られて明らかにイライラさせているのが分かる。じゃぁ、クロワッサン1個と、ブリオッシュ2個で。と注文したあとで、「あっすいません、クロワッサンもう1個」なんて言うとかなり気まずい。
日本でもケーキ屋さんはそうだし、欧州的な感じのパン屋も最近はこういう方式なんだろうけど、私は日本ではなんだか落ち着かないので避けてきた。まぁミスタードーナッツですら「自分でトレー」方式になってほっとしている位の私、きっと「なんだか急かされてるような気分」がダメなんだと思う。
バイト先でもたまにお菓子を直接お店に並べる手伝いで、店頭に行く機会があるのだけど、フランス人は決断が早い。「このケーキ、何人分?」「え〜っと、まぁたっぷり8人分ですね」「あ、そ。じゃぁ、コレ」という具合。「う〜ん。。。」と悩んでいる人っていうのが少ない。もともとパン屋(ケーキ屋)がこういうものだって分かっているからあらかじめ「今日はアレとコレを買おう」と狙いを定めてきているのか、優柔不断な性格が少ないのか。
ところが先日、とある中華総菜屋さんでのこと。私は「春巻」と決めていたので即決だったのだが、あとから入ってきたフランス人はやけに迷っている。
「これは、何が入っているの?」
「エビです」
「エビ。。。コレは?」
「鶏」
「・・・う〜ん。。。」
これはまさに、パン屋で私が陥りがちなシチュエーション。なんだ、フランス人も迷うのか。
要は、どんなものか分かっているか分かっていないかの違いとみた。
ところで、じゃぁ日本式の「自分でトレー式パン屋」、フランスで実施可能か考えてみた。。。これはかなりの挑戦である。なにしろスーパーでもレジに並んでる間にむしゃむしゃチョコ(清算前)を齧ったり、コーラ(もちろん清算前)を飲んだりする人たちだ。しかもほとんどのスーパーにツタヤのような防犯ドアが付いている。仮にフランスでトレー式をしたら。。。間違いなく、その場で食べちゃう人が続発、会計がままならない、種類通りに並べてもあっという間にぐしゃぐしゃ、ましてやトレーやトングの安全すら危ぶまれる。
日本はなんて優雅でのんびりとした国なんだと、パンのトレーを思い出す度に思う。「清算してないものは、食べちゃダメ」なんて、誰からも教わった覚えはないんだけど。。。教わったんだろうな、どこかで。