我が輩は猫である

spoutnik2005-08-09

「我が輩は猫である。名前はまだない。」で始まる、夏目漱石の、あまりに有名な小説。
実は,ちゃんと読んだことがなかった。
5月まで通っていた語学学校の翻訳の課題で、何故かこの冒頭部分のフランス語訳と原文を丸暗記、という課題が出されて、初めて少し読んだのだけれど,まぁ結局続きが気になって,青空文庫でダウンロードして毎日ちょっとづつ読んだ。
まぁたいして続きが気にならないという意味では、寝る前に読むのにちょうどいい読み物で,結局読破するのに1ヶ月くらいかかった。
現在,ゆめじという猫と暮らしているのだけれど,これを読んでいるとゆめじも「主人はなにやら・・・」などとこ難しいことを考えているような気がして、面白かった。
主人と,その周りの仲間が、くだらない話で盛り上がったり、たいした用事もないのにやって来たり、その話の雰囲気など,時代を感じる面もあれば,言っていることは現代でも通じるなぁとか,なかなか感心しながら読んでいた。その絶対的な客観性を、猫が語り口という手法で成し遂げたのは,ある意味早い者勝ち,この時代にやってのけた夏目漱石、あっぱれなのだろう。
で、最後。いきなり「我が輩」がビールを飲んで酔っぱらって、井戸だかカメだかに落ちて死んでしまう。2歳くらいで。
なんか。。。
こんな終わり方はどうも納得いかない。といっても、目の前には、もうそれで完結した文章しかない。文字の羅列。むりやりにも視界に入ってくる文字の非情さ。
文字だけで人をこれほどまで翻弄するとは。
嫌いだ。夏目漱石。読まなきゃよかった。
。。。眠れないじゃないか。