もれなくもう1個

spoutnik2005-08-27

「接客教育」がある時点で、どこかフランス的でない、バイト先のパン屋兼お菓子屋。
最新の「接客心得」には、「子供のお客さんにも、大人に接するように接しましょう(子供言葉を使わないこと)」とあった。
で、最近また新たなふしぎ発見。もっぱら私はクロワッサンとパン・オ・ショコラの係にさせられてしまったらしく、クロワッサンとパン・オ・ショコラの仕込み&プラック並べ、卵塗りが日課。(焼くのは、パン係の方の大きな窯で焼くので,私はやらない)
で、常々疑問に思っていたこと。「平日は、各150個づつくらいしか売れないのに、日曜日はクロワッサン350個、パン・オ・ショコラに至っては450個も売れる、しかも日曜は午前中しか開けてないのに。なんで?!この界隈の人は日曜っていえばクロワッサンをもりもり食べるのか?」
だいたい、合計800個ものクロワッサンたち,プラックに並べるだけでも大変。1枚につき15個づつしか並べられないから、プラックにして50枚以上。しかも「焼き用」のプラックだから、重い。。。つらい。手首が痛い。
土曜日にはこれを全部並べて、日曜の朝、今度は卵を塗る(しかも2度塗り)。発酵してふくれた姿に癒されつつも、なかなかに体力を消耗する仕事である。
しかも、仕込みだってコレだけの量になると大変。毎日10キロ分の粉で4玉作り、1玉から約100個のクロワッサン。(平日少しずつ日曜の分を貯金する)。そしてひたすら、くるくるくるくる、巻きまくり。これが、週追うごとに量が増えて来た。一緒に働いてるおじさんたちも「ここはクロワッサン工場か?」と冗談まじり(笑えてない)。
そして最近やっと,その謎が判明。日曜日は午前中でお店が閉まる上に、「日曜日だからちょっと朝はのんびり起きる」という人が当然いっぱいいる。と、閉店間際(正午から1時)にどっとお客さんが店にバゲットやら夜のパーティー用のお菓子を買いに押し寄せる。店には行列ができ、パン焼きが追いつかない、仕込みの数が読めない。
で、パトロンが始めた新サービス「日曜日、朝10時までにご来店のお客さんで、クロワッサンかパン・オ・ショコラを買った人には、もう1個おまけ」
どうりで、この量。売れている数は実際には各200個〜300個だけど、確かに相乗効果なのか、明らかに平日よりも売れている。しかも面白いのが,平日はクロワッサンもパン・オ・ショコラも同じくらいの数売れるのに、「おまけ」にすると圧倒的にパン・オ・ショコラの方が多い。「貰えるんなら、高い方!」っていう客心がよく分かる。
それにしてもこんなサービス、フランスに来てから見たことがないのでびっくり。
というわけで、来るなら日曜の午前中10時前がいいですよ〜(開店6時)。