勘弁してよ〜

spoutnik2005-09-10

もぉ、最近、ほんと勘弁して欲しい出来事が2つ。
まず1個目。
フランスのアパートは、日本のように部屋のドアの前まで来て「ピンポ〜ン」じゃなく、アパートの外のドア(1階の外)に、表札の数だけ呼び鈴がついていて、それを鳴らすと、住人が中から外のドアをボタンを押して開けてくれる。お客はそれでアパートの中に入り、階段を上って部屋まで辿り着くというふうになっている。ちなみに「ピンポ〜ン」ではなく、「ビィイイ〜」という不快な音。で、わたしの表札(5階)の呼び鈴がどうもおかしいらしい。もともと、知り合いが来て鳴らしても鳴っていないことがあり、大家さんに言って直してもらうようにアパート管理人に言ってもらったのだけれど、どうも、うちじゃないところの呼び鈴のボタンで鳴っているっぽい。(もしくは、だれも表札なんか見ないで押しているか)夜中とか、誰が来るはずもないような時に、ビィイイイ〜!っと鳴っている。でも、無視していると、1、2回で諦める、もしくは正しい部屋の持ち主がドアを開けるなどで、もう鳴ることもない。だから普段はそれほど気にしていない、のだけれど。
先日、土曜日の夜中(もちろん寝てた)にまた「ビィイイイイ〜!」と鳴った。「まぁまたいつもの下の住人の友達かなんかかな、無視すればいいや」と思って、また眠りにつこうとした、その時。「ビィ〜!ビ、ビ、ビィイイイ、ビ、ビィイイイイイィイイイ〜!!!!」っと、もう明らかにいかれぽんちな鳴らし方をされた。
「なんなんだ〜!こっのぉ〜!!!」と思い、寝室の窓から下を見ると、若い女の子が2人、一瞬「あっあたし〜!」みたいな顔をしてから、やべっ間違えた!と思ったのだろう、「あっ〜、ごめんなさ〜い・・・」・・・って!その鳴らし方はないだろ?もう、今ここにタライと水があったら、上からぶっかけてやりたい気持ちだったけれど、それはなんとか抑えて、ばたんっと窓を閉め、「一体何時なんだ〜!」と時計を見ると午前3時前。
いや、間違えたとか、夜遅いとか、そういうのは100歩譲って、いいとする。でも、あの鳴らし方はない。許されない。
そして2個目。
それから2時間後、お陰で眠い目をこすりながら起き、始発のバスに向かう。日曜の始発といえば、以前「おすわけ」で紹介した世界中のけだるさを凝縮したようなバスである。
いつものようにバスに乗り込む、と、おや、あの時ドーナッツをくれた怪しげなアラブ人おじさんが。2週間ぶりである。今日はドーナッツの代わりに、古いバゲットを手に持って、もう片方の手に持ったナイフで細かく切っている。間違いなく「鳩のエサ」を作っていると思われるが、なんで?相変わらず意味不明、正体不明。
今日はあのアル中はいないのかな、(いなくてけっこう)と思ったら、・・・乗って来た。今日は泥酔してない(ある意味よけいたちが悪い)。ふたりも、あのとき以来の顔合わせらしい。

アラブおじさん「おぉ〜、元気か、若者。おまえさんこないだエライ酔っぱらって、財布を忘れそうになったんだぞ」
アル中「え〜、覚えてないなぁ〜!ほんとに?ありがとさんよ〜。」
アラブおじさん「気をつけないとなぁ、そんで、俺たち1個違いのバス停で降りるんだよな〜」
アル中「そうだっけ〜!?いやぁ〜、奇遇だねぇ〜」
アラブおじさん「ほれ、こないだはオレがドーナツやって、食っただろ?覚えてるか?」
アル中「まいったなぁ〜、何も覚えてねえょ〜」
・・・やれやれ、プチ同窓会が始まってるし、と思っていたら・・・
アラブおじさん「そうだよ〜。オレがドーナツあげて、みんなで食っただろ?あそこのお姉ちゃんも一緒に」
・・・まじで?!わたしに振らないでよ〜。朝っから酒臭い人たちと語らう気はないのだ。
アル中「ほんとに〜!お嬢さん!俺たちみんなでドーナッツかぁ〜!」
アラブおじさん「今度、クスクス食べようよ、みんなで、うちはレストランやってんだ、奢るからさ」
アル中「いいねぇ〜!ねぇ、クスクスだって、食べようよ、一緒に」
わたし「いや、いらない」
アル中「なんで〜!クスクス、オヤジが招待してくれてるんだぜ、クスクス、知ってる?」
わたし「知ってるけれど、いらないです」
アル中「ねぇ、電話番号は?名前は?クスクス、食べよう、一緒に!」
アラブおじさん「クスクス美味しいよ、みんなで食べよう、その若者もいいやつだよ、大丈夫」
アル中「ねぇ、隣、座ってもいい?」
わたし「いや」
アル中「なんで〜?ねぇ、オレのこと怖い?親切だろ?」
アラブおじさん「そうだ、コイツは親切、大丈夫だよ怖がらなくて」
わたし「怖いとかじゃなくて。いや」
アル中「ねぇ、名前は?電話番号教えてよ、クスクス食べに行くとき電話するから」(と言いながら隣に無理矢理座る、酒臭い。目が完全にすわってる)
わたし「電話ないから。放っといて下さい。」
アル中「この子、恥ずかしがりやさんなんだね〜!大丈夫だよ、俺たち意地悪なやつじゃないから!」
アラブおじさん「怖がる事ないよ〜!クスクス、タダだから!ご招待!」
わたし「いや、ほんと、放っておいて」
アル中「恥ずかしがりやさんだ、ほんと、でも大丈夫だよ!」

・・・いい加減にしてくれ。朝から酒臭い息を吹きかけないでくれ。触るな。
たまにフランス人に言いたい時がある。「意地悪じゃない」=「親切」とは違うだろ?
この場合、いかに悪気がなくとも、わたしをそっとしておいてくれるのが親切と思うのだが。

これが、仕事に行くバスでなくて、しかも始発のバスじゃなかったら、速攻降りているのに、始発だからコレを逃すと30分以上待たなくてはならない=遅刻なので、そうもいかない。

ほんとに、勘弁して下さい、マルセイユの皆さん。

後日、アラブおじさんとは平日の始発バスでも何度か一緒になったが、その度にクスクスに誘われ、危ないから家まで送る(わたしも始発で帰る組だと思っているらしい)とか、(オレはポリスで働いてるから大丈夫、だそうだ、全くもって意味不明)毎朝、行くだけでなんか疲れる。