被害届の提出

spoutnik2006-05-09

ケイタイをひったくられた翌日。バイトに行くと、みんなから「お、今日ケイタイ持ってきた?」「おはよぅ、マドモワゼル・ケイタイ!」などと冷やかされた。1晩明けて、それぞれが落ち着きを取り戻した様子(てか私が一番)。
前日、直接犯人グループを追いかけたにも関わらず、サボだったために取り逃がして悔しがっていたローランも、今日は笑顔。
「ちゃんとケイタイ止めた?」
「うん、それはすぐやった。でも、警察にも行かなくちゃダメでしょ?(憂鬱)」
「そうだねぇ、一応被害届出した方が、ケイタイ帰る時に有利だよ。ケイタイ保険、入ってないの?」
「え、なにソレ?入ってない。」
「入った方がいいって!ほんと安いし、いざっていう時に補償がきくから。故障でも、盗難でも。」
「そうなのか。。。知らんかった。入っとくわ。」
「あとは、警察行って、その後ケイタイ屋にその被害届もってけば、大丈夫だから。」
「じゃぁ、火曜日に警察行くよ。だって、明日は祝日だし。」
「いゃいゃ、警察は日曜も祝日もやってるから、今日でも行って大丈夫だよ。」
「えっ日曜日も働いてるの〜!?(まぁ言われてみれば警察なんだから働いてるだろうけど、フランスのことだから、警察署は閉まってると思ってた)ふぅん、じゃぁ今日帰りに行ってくるよ。どこの警察でもいいの?」
「うん、どこでもいいよ。」

そこへパトロン登場。
「お、マダム・ケイタイ!大丈夫だった?」
「えぇ、まぁほんと、カバンじゃなかったから良かったですょ。」
「ケイタイは危険だからね、ほんと、道でケイタイを使っちゃダメ!マルセイユだけじゃないよ、ケイタイ被害は!」

パトロンマルセイユ人なので、「マルセイユだけじゃない」をしきりに強調。ってか、道で使うなって・・・メトロか電波入らないし、ってことは、家か、バス?で使うもの?ケイタイって?!・・・まぁいい。

さて帰り道、言われた通り警察に行ってみた。うちの近くの警察署。日本のような「派出所」はないので、なんだか立派そうな建物の中に入る。

中に入ると、受付に3人警察官がいて、私の前にひとり、被害届を出している女性がいた。どうやら、車で当て逃げされたらしい。
警察1「う〜ん、でもこういう件は、見付かる可能性、低いですよ。」
女性「でもほら、ナンバー控えてるんです!これで調べれば分かるんじゃないですか!?」
警察2「いやぁ、でもねぇ・・・(当て逃げ程度で捜査する気、全くなし)、で、どこで起きたの、事故は?」
女性「あの、駅前の通りです、駅の左から降りてくる・・・」
警察3「大学のところ?」
女性「大学があって、駅があって、こう、カーブしてる・・・」
警察1・2・3「えっと、なんて通りだっけねぇ、あそこは・・・」

おいっ!!!3人も警察がいて、なんでひとりに付きっきり?!
しかも、地図くらい、置いとけよ!!!

警察1「地図,あったけ?」
警察2「あぁ、多分2階」
警察3「いや、この引き出しじゃない?」
警察1・2・3「あ、あった。えーっと、駅の左の大学の横の道は・・・」

おいっ!!!

・・・何なんだ・・・この働きっぷりは!なんで3人でしかもツーリストが見るような市販の地図とか見てんの?!

と、待つこと30分。やっとわたしの番が来た。

「あの、昨日ケイタイを盗まれたんですが、警察に届けた方がいいと言われたので、来ました。」
「ケイタイの盗難、ね。ケイタイの個体番号がいるんだけど、今持ってます?」
「個体番号ですか?ケイタイの番号じゃなくて?」
「シリアル番号よ、ケイタイを買った時の領収書か、箱に書いてあるものなんだけど。」
「あ、今持ってないです。」
「じゃぁ、それ持って、来て下さいね。」

・・・終了・・・15秒。

はぁ、っていうか、箱!!!・・・持ってる・・・良かった・・・ちょっと可愛かったから取ってあったんだ。こんな時に必要になるなんて、全然知らなかった・・・危ない危ない。

30分待っていたのは何だったんだろう・・・と空しく思いながらも(フランスではよくあることです)、とりあえず箱を取りに家路についた。

それにしても、箱が要るなんて。そういうこと、ケイタイ買う時に言っておいてくれないと、いつ棄てててもおかしくなかったよ。現に、領収書はもうないし!

皆さん、ケイタイの箱と領収書は、後生大事にとっておきましょうね!

続く。