le cochon!

spoutnik2005-01-08

今回フランスに来て、始めに覚えた成句は「nous n'avons pas pas garde les cochons ensemble」という表現だ。直訳すると「私たちは一緒に豚を飼っていたわけじゃない」といったところで、学校に入って3回目くらいの授業の時に担任の先生が私たちに向けて言った言葉だ。クラスのある生徒(スウェーデン人)が、彼女に向かって手を振ったことが気に入らなかったらしく、これを注意する時に。もちろんホワイトボードにも書いてくれたし、真面目にノートに取って家に帰ってから辞書をひいてみた。意味として書いてあったのは「そんなに馴れ馴れしくされる覚えはない」 。一瞬背筋が寒くなった。(きっと私のクラスの人たちでうちに帰って辞書をひいた人はみんな顔が引きつったことであろう)。こんなこと言われたら、傷つく。この日から確かに彼女に対してはちゃんと距離を測って接するようにはしている。彼女はその後も幾度かこの表現を私たちに使うのだけど、そこに悪気がなさそうな所がまた怖い。はっきり言って、こんな表現をぴしゃりと相手に向かって言うという文化というか例が日本にはないので、戸惑ってしまう。注意されたコも可愛そうだ。だいたい声をかけるには遠いしお辞儀をする習慣もない国で、相手にこちらを向かせるにはどうすればいいんだ。ワカラナイが、これ以降、それほど親しくない人、もしくは先生に対しては絶対に手を振らないようにしているし、遠目に気づいても無視することにしている。彼女はいろいろなフランスでの礼儀やタブーを教えてくれて、まぁある程度役には立つのだが、知らない土地で右も左もワカラナイ人たち相手に、ただ萎縮させているだけという気もしなくはない。「郷に入っては郷に従え」とはよく言うけれど、フランスほどそういった面にストリクトな国も珍しいのでは?と思う。